本丸御殿の屋根瓦

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以前、川越城 本丸御殿についてご紹介させていただきましたが、保存修理工事が始まってから約1年半となりました。

今回の本丸御殿の修理工事は、外観を維持することも重要なポイントとなっているようですが工事による変更も もちろんあります。

その一つとして屋根瓦をご紹介したいと思います

本丸御殿の大きな屋根には
なんと約2万枚の瓦が使用されていて、今回の修理に伴い約6千枚が新しい瓦に交換されています。

とはいえ、使用できる古い瓦は再利用していて、新しい瓦は外観維持を配慮して裏庭側の屋根に配置されているので、皆さんが目にする新しい本丸御殿の外観が激変することはありません。


また地元の皆さんならご存知かと思いますが、以前の本丸御殿は北側と南側
の両端で鬼瓦が異なっていました。
今回の工事で北側鬼瓦の複製品を南側にも配置されるのでこの違和感がなくなるそうです。

なぜ鬼瓦は北と南で異なっていたのでしょうか?

理由は、
建設当初 北側にのみ鬼瓦が置かれていて元々南側には鬼瓦はありませんでした。南側には鬼瓦ではなく建物(書院)が接続されていたようです。

その後この建物が解体され、南側の体裁を整えるため 明治初期に解体された本丸御殿のどこかの建物の鬼瓦が転用されたのでは?という可能性が指摘されているようです。

鬼瓦だけでなく、修理後には他の変更部分も是非とも探してみたいですね!
楽しみです


(東洋堂スタッフ:今井)